開業までのキャリアについて教えてください。

実は、皮膚科と形成外科で迷っていました。今となっては糸リフトやヒアルロン酸注入もやっているので、形成外科に進んだ方が良かったのかもしれませんが、当時は結婚してからも、子育てしながら仕事を続けていきたい気持ちが強かったので形成外科より皮膚科の方が家庭とのバランスを取りながら働けると考え皮膚科に進みました。

まずは基礎知識を習得し、皮膚科専門医を取るために保険でキャリアを積みました。その後美容皮膚科勤務医としてトキコクリニックに入職しました。家庭の事情で退職することになってしまいましたが、トキコクリニックは勤務しながら勉強ができ、教育制度がとてもしっかりとした環境でした。半年間ドイツに行っていたのですが、帰国後は芦屋ベンクリニックでお世話になりました。
その後は開業することを見据え糸リストを勉強したいと考えました。ちょうど糸リフトで有名な吉田由佳先生がいらっしゃるザ・ナチュラルビューティクリニックが管理医師を募集していたので応募しました。開業する予定であることも事前に伝えた上で1年間働かせていただき、その後開業しました。

クリニックの強みを教えてください。

私は糸リフトとヒアルロン酸注入が好きなので、この2つについては力を入れています。また、ピコシュアというレーザー機械を入れていて、こちらは大変人気があります。 元々皮膚科を長く経験しているので、シミ治療など、肌のお悩みにしっかりと対応できることも強みです。
患者様は女性が多く、中でも40～50代の方が多いです。86歳の方もいらっしゃいますよ。 遠方からの患者様が多くいらっしゃるのも特徴の一つです。

美容医療のやりがいについて教えてください。

美容医療のやりがいは患者様の満足度を直に感じられることでしょうか。見た目が綺麗になることで服装がおしゃれになられて、元気になっていく姿を見ることができます。美容って人を変えるんだなぁと思います。皮膚科でも皮膚が綺麗になると元気になっていただけるのは共通なのですが、美容皮膚の方が求められていることがより高度と言いますか、期待値が高いので、その分やりがいは感じられます。その期待に対して満足いただけるように、技術を磨き、セミナーや学会で新しい方法を習得することも大切だと思います。トレンドもありますし、流行り廃りに対してアンテナを高く立てておくことが必要ですね。

SNSについてのお考えを教えてください。

SNSは私も活用しています。SNSを見てきてくださる方は私を選んで来院していただいているので話がはいっていきやすいと思います。

女性医師が出産を経てキャリアを築くことについてお考えを教えてください。

男性はお子さんを持ってもキャリアに影響することは少ないかも知れませんが、女性は自分が子供を産んで育てることになるので大変かと思います。今後どうしようかなと思っていらっしゃる先生も多いと思います。今は以前よりだいぶ緩和されてきて選択肢が増えてきていると思いますが、それでも子育てしながらキャリアを築くのは大変なことだと思います。私の場合は実家も近いので恵まれた環境だったと思います。主人の母にも支えてもらったからこそできたと思います。子供たちは幼いながらに私の仕事のことを理解していて、『お母さん頑張って』と言ってくれています。日曜日に学会やセミナーがあると出かけてしまうので寂しい想いもさせているかなと思いますが、時間が取れた時は旅行に行ったりしますね。

周りの先生方との交流はありますか。

関西の女性医師で集まったり、仲良くさせていただいています。それぞれ商圏も違うのでライバルというよりは仲間という感じですね。新しい治療のことを話したりしています。皆、美容が好きだから話も盛り上がります。

美容皮膚科医にとって大切なことは何だと思いますか。

患者様とのコミュニケーションだと思います。初めは難しいかも知れませんが、相手の気持ちをしっかり受け止めて、どうなりたいか汲み取れる力が必要だと思います。技術力は教えていけば身に着くと思いますがコミュニケーション能力がないと美容は難しいかなと思います。

美容医療を目指される方へアドバイスをお願いします。

新しい治療に目が行きがちですが、肌の基本的なことが分かっていない状態では患者様に対して失礼なことだと思います。転科される方もいらっしゃると思いますが基礎知識はしっかりと勉強された方が良いと思います。